カーリングは「氷上のチェス」といわれますが、本当にそう呼んでいいのでしょうか?
今回はカーリングをチェスだけでなく他競技やスポーツと比較して、似ている点を列挙して「氷上のチェス」でよいのか、他の例えはないのかを調べてみました。
チェスとの類似点
「氷上のチェス」といわれる理由をみつけるため、カーリングとチェスの共通点をリストアップしてみました。
先攻後攻がある
チェスは先攻が圧倒的有利といわれ、カーリングは後攻有利といわれています。
取られた駒は盤上から取り除く
ハウス内のストーンがハウス外にはじき出されたらそのストーンは無効になります。
チェスクロックがある
持ち時間制のゲームをする際に競技者の持ち時間を表示するものです。持ち時間は故意な遅延行為を防ぐために設けられています。
戦略と戦術が重要
カーリングと同様にチェスは、長期的な戦い方を決める戦略と短期的攻め方を決める戦術がゲームに勝つため重要といわれています。
しかし、戦略と戦術が重要な競技やスポーツはカーリングやチェス以外にもたくさんあります。
他競技との類似点
「カーリングはチェスではなく◯◯です」という意見も目にするので、今回はゴルフ、ダーツ、ビリヤードでカーリングとの共通点を探してみました。
ゴルフ
「芝目を読む」といわれるように、ゴルファーはグリーン上でパット前に芝目や傾斜を確認します。
カーリングでも「氷を読む」「アイスリーディング」と呼ばれる、試合を通じて刻々と変化する氷の状態を把握してストーンを投げる強さを調整します。
ゴルフは「審判員がいない」セルフジャッジのスポーツです。自分の打ったボールが茂みに入って見つからなかったり、池ぽちゃしたりして打ち直しが必要なときは「打ち直します」と申告して打数ペナルティをつけて打ち直します。
カーリングも同様で、本意ではなく相手ストーンを動かしてしまっても「ごめんなさい」と自ら謝名乗り出て相手も納得すれば問題ありません。
ゴルフもカーリングも、ルールに則って問題があれば競技者同士で話しあって解決する紳士スポーツです。
ダーツ
先攻後攻があり、ダーツは先攻有利とされています。
的の中心を射ると高得点になるのも、ハウス中心にストーンをためて相手ストーンはハウス中心から遠ざけることで高得点になるカーリングと似ています。
ビリヤード
ビリヤードも先攻後攻があり、先攻有利といわれます。
カーリングは会場によって屋外で試合することもありますが、オリンピックや世界選手権など公式大会は屋内で行われます。
ビリヤードももちろん屋内の競技です。
ビリヤードは手球を他ボールにぶつけてからボールをポケットに落とします。
カーリングも相手ガードストーンやハウス内に集まった相手ストーンに自分ストーンを当てて弾き出します。
ボール(ストーン)が他ボール(ストーン)に当たるスピードや角度によって、その後のストーンが進む方向やスピードが変わるのも似ています。
結論
カーリングは「氷上のチェス」といいきれるだけ多くの共通点はチェスには見つかりませんでした。
ゴルフ、ダーツ、ビリヤードとカーリングを比較してみましたが、「氷上の◯◯」といいきれるだけの強い共通点も残念ながら見つかりませんでした。
カーリングはチェスのように戦略や戦術が重要、と目にすることが多かったので、「氷上のチェス」としていままで全く疑問を持たなかったのですが、あらためて調べてみるとチェスにも、ゴルフにも、ダーツにも、ビリヤードにも似ていないし、氷上の◯◯に当てはまる良い競技が見つからない結果となってしまいました。
カーリングに例えはつかわず、カーリングでよいんじゃないのかな。
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